俳句は季語を17文字の作品の中に入れて、作る世界一短い詩です。
季語を入れるので、作品の中で特に季節を言わなくても読み手に分かるようになっています。
俳句の季語で蛍は夏の季語です。
当然夏にしか見ることのできない虫なのですが、蛍の文字を入れて違う季節を表した季語もあります。
俳句は必ず季語を入れなければならないという決まりがあります。
他の季節の蛍とは?
- 雪蛍
綿虫とも呼ばれる、初冬の初雪が降るころに綿毛が舞うように飛ぶ虫です。
雪虫とも言われます。
お腹が綿毛のようにふわっとした毛が生えている小さな虫です。
雪蛍となると初冬、あるいは晩秋になります。
ただ、アブラムシの仲間の害虫でリンゴの木に大きな被害を与えるらしいので、あまり作品には出てこないようです。
名前だけ見ていたら美しい虫のように感じられますね。
冬が来るのだという思いに託されるような季語です。
【雪虫のゆらゆら肩を越えにけり 臼田亞浪 「旅人」】
俳句の季語のルール
初蛍、蛍火、夕蛍、宵蛍、蛍合戦、等々。
これらは子季語となっています。
子季語とはいわば、季語のバリエーションで傍題とも言います。
夏の季語であることには変わりはありません。
細かな決まりがある俳句ですが、季語さえわかれば誰にでも作れる身近な文学です。
俳句の決まりですが、必ず季語を入れることの他に一つの俳句に季語を複数入れないということがあります。
これを季重ねといい、違う季節の季語を入れることを季違いと言うそうです。
【目には青葉山ほととぎすはつ松魚 (素堂) はつ松魚=初鰹】
http://haiku-nyuumon.com/article/140705578.html
有名な句ですね。
これはルールにのっとれば季重ねになりますが、体中で初夏を満喫している感じが大いに伝わってくる句です。
難しいことはわからないのですが、ルール違反であっても心を打つ句であれば、名句となるようですね。
季語を知るには
季節の言葉かなと思ったら違った、ということもあります。
俳句の季語は歳時記を見るのが一番です。
歳時記は俳句を作る時の辞書のようなもの。
これはこの季節の言葉ですよ、というのが全部載っています。
ただ、編集者の違いで微妙な差はあるようですね。
俳句を本格的にやってみたいという方は、俳句のグループに入って添削や批評を受けるのがいい方法だと思います。
まとめ
俳句を作るのは学校でやったきりだったのですが、調べるうちになんと奥の深いものなんだろうと思いました。
17文字という短さで季節から感情から風景までを表現する手軽さに加えて、解釈や日本古語の文法の使い方まで、久々に頭が痛くなる調べものでした。
たかが俳句、されど俳句。
心をきれいにして、17文字をしたためてみたいなと思いました。