ホタル科の昆虫は毒性があると言われていますが、その毒は人間へはどのように影響するのでしょうか。
また、ホタルはなぜ毒を持っているのでしょうか?
さらに、その成分は何なのでしょうか?
目次
ホタルの幼虫の毒
キラキラ綺麗に飛び回り私たちに感動を与えてくれるホタルが毒を持っていることには意外ですが、その毒はどのような場面で使われているのでしょう?
また、人間へは影響はあるのでしょうか。
ホタルの毒の成分やその他体内にもつ成分には毒性があるのかどうかも見てみましょう。
いつホタルは毒を利用する?
ホタルは毒を利用して何をするつもりなのでしょうか?
それはもちろん天敵から身を守るためです。
また、餌を食べる際に巻貝の身の部分にホタルの幼虫から体液を分泌し、餌になるカワニナやタニシを麻痺させて肉を溶かし液状にして捕食します。
人間への影響は?
ホタルに毒があるとはいえ、もしホタルの体液が皮膚に触れても痒くなったり腫れたりすることは報告されていません。
また、毒を持つ昆虫は毒性の強いものは毒薬として利用されてきましたが、毒薬としてホタルが利用されることはなかった点からホタルの毒性は人間には殆ど害はないと言えるでしょう。
天敵から守る際に分泌する毒の成分は?
ツグミ(鳥)がホタルを捕食しようとした時に、ツグミがホタルを捕らえずに回避したことからホタルは身を守るために毒性の物質を出している事が考えられます。
また、餌を食べる際に巻貝を麻痺させ食べる事からも何か毒性の物質を出しています。
では、その際に分泌している物質は何でしょうか?
アメリカの研究データによると、その毒の成分は強心ステロイドのようです。
強心ステロイドは、ガマ毒と同じ成分ということになります。
強心ステロイドとは?
強心ステロイドとは心筋に直接作用する成分で、心収縮増強薬として知られうっ血性心不全の治療薬に使われている成分です。
ですが、大量に摂りすぎると筋肉量の減少や萎縮します。
ホタルが光りを放つ成分には毒性はある?
ホタルが光りを放つ成分にルシフェリンというものがあります。
ホタルの発光メカニズムはルシフェラーゼという酵素がルシフェリンと結合して光りを放ちますが、これらの成分には毒性はありません。
まとめ
ホタルの毒性はガマ毒などのように強い毒ではありませんので、それほど神経質になる必要はありません。
ツグミがホタルを食べる前に回避していることから、目に見えないだけで毒性物質をホタルは放っていることになりますね。