ホタルは非常にデリケートな昆虫ですので、初心者が飼育するには少しハードルが高いように感じます。
ですが、正しくホタルの生態系について理解していれば恐れることはありません。
では、初心者が育てるのに適したホタルの種類や飼育に必要なものはどういったものがあるのでしょうか?
初心者でもホタルの飼育はできる?
日本には何十種類もホタルがいますが、一生懸命愛情たっぷりに育てたホタルが元気に光を放ちながら飛び回る姿を見ると嬉しいですよね。
そこで、今回は光るホタルとして代表的なゲンジホタルとヘイケボタル、ヒメボタルに絞りました。
初心者が育てるのに適しているかどうか、また、育てる際に用意するものなどは何か見てみましょう。
ゲンジホタルは?
まず、ゲンジボタルを飼育する際には3段階で飼育環境を変える必要があります。
ホタルは湿った苔に卵を産みますので産卵時には苔を用意し、幼虫は水中で水流がある中で成長しますので水とポンプなどをつけたりすると最適です。
また、羽化時期には土が必要になります。
産卵時から飼育する場合はミズゴケを水槽内に敷き、産卵が終わったのを確認できたらミズゴケを水面と陸の境目に置きます。
この時、苔が水面から離れていると孵化した幼虫が水中にたどり着けず亡くなってしまいますので注意が必要です。
幼虫時は塩素を取り除いた水道水で大丈夫です。
水槽の底に砂と隠れ家の小石や落ち葉を置くと、幼虫が快適に過ごせます。
餌はカワニナしか食べません。
ホタルの幼虫は基本的に食べた餌を排泄せず体内に溜めておきますが、カワニナの排泄物が水質を悪くする可能性がありますので注意して観察する必要があります。
さらに幼虫が大きくなり成虫になるためには、上陸するための環境を新たに作る必要があります。
上陸用の土は通気性があり保水性がある土を作るとベストですが、黒土や川砂、ピートモス、砕いた炭などを混ぜ合わせて作ると良いです。
霧吹きで適度に湿らせるようにする必要があります。
このように、ゲンジホタルはかなり手間がかかり初心者には少しハードルが高いです。
ヘイケボタルは?
一方、ヘイケボタルは沼や水田に生息するホタルですので水流がない場所でも育つことができます。
また、幼虫の餌もタニシやサカマキガイなど巻貝はなんでも食べます。
しかし、餌が残っていると水が汚れる原因になりますので、比較的強いヘイケボタルといえど定期的に水槽の水換えは必要です。
また、ミズゴケの設置もゲンジボタルと同様に水辺に近いところに置いておくと幼虫が迷いません。
土もゲンジボタルと同様の通気性があり保水性があるものを作ってあげましょう。
ヒメボタルは?
ヒメボタルは陸上で育ちますので、少し湿った土の上に腐葉土を敷いて落ち葉などを置いておくと良いです。
陸上で生活するホタルですので、幼虫が容器から逃げ出してしまうこともあります。
蓋をしっかり閉めておきましょう。
キセル貝やカタツムリなどを食べます。
カタツムリの貝殻の中で幼虫が蛹になることもあります。
まとめ
初心者にとって飼育が最も簡単なのホタルは水の入れ替えが必要のないヒメボタルが飼いやすいと思いますが、ヒメボタルは謎めいた生態系の持ち主です。
飼育方法が解明されていないので、まずは餌のこだわりもなく少々の水の汚れは平気なヘイケボタルが飼育しやすいのではないでしょうか。