世界中でホタルが年々減少しているようです。
日本だけのことかと思っていたら、世界中で同じことが起こっています。
それはなぜでしょうか。
進む環境改変
減少しているのはホタルだけではなく、すべての昆虫に言えます。
蝶と無脊椎動物の減少は、人間の暮らしの環境をよくしようとした結果だということです。
人間の暮らしをよくするということはどういうことでしょうか。
人間は周りの環境を変えることで生き延びてきました。
寒さがあれば、体毛を増やすのではなく風を避ける洞窟や室をこしらえたり室の中を温かくするために火をたいたりしました。
今の暮らしをよくするということは、災害に対して川の氾濫をより少なくするために護岸を強くするということが行われています。
それらの環境改変が人間だけではなく、すべての生物にとって良いものでなくてはいけません。
護岸工事のために岸辺の土の環境が失われて、蛹から成虫になることができなくなった生物もあります。
その代表的な昆虫がホタルです。
ホタルの生涯をたどってみるとよくわかる
ホタルは川の中でカワニナという貝を食べて成長します。
川が汚れていてはカワニナが生きていけません。
高度成長時代には、工場や住宅が山の中にもできて川が汚染されることがありました。
その反省から、現在ではその時ほどの汚れはありません。
一時はいなくなっていたカワニナも生息する川が増えてきています。
それでもホタルは増えていません。
上記のように護岸に土がないことが大きな問題となっています。
ホタルは蛹から成虫になるときには、水の中では変わることができません。
水から出て、土にもぐらないと成虫にはなれないのです。
少しの土があってそこで成虫になれたとしても、2週間余りの期間に子孫を残す準備をしなくてはいけません。
それができなければ次の世代のホタルはできないのです。
日本のことだけかなと思ったら
生物の絶滅というテーマを聞くと、高度成長時代を見てきた私ぐらいの世代の人間はすぐに環境の汚染を思い浮かべます。
しかし、現在の日本の環境は当時と比べるととても良くなっています。
お隣の中国との現状を比べてみると、格段の違いがあることがわかると思います。
ところが日本だけでなく、世界中でホタルをはじめ様々な生物(特に無脊椎動物)が減少しています。
これは河川や環境の汚染だけが原因でないのは明白です。
人が暮らすために環境を整える、汚染を無くす、水の流れもよくする、そのためにある種の生物が生きていけなくなる、、、、皮肉なことが起こっています。
まとめ
川をきれいにするだけではホタルは戻ってこない、と今回のテーマで知りました。
環境汚染などと言うフレーズを聞いて育った人間としては、なんとも切ない気持ちになります。
人間にとって暮らしやすいということは他の生物にとっては、生きにくい、生きられない環境なのでしょうか。