日本の風物詩とも言えるホタルが最近見られなくなったのは、水質汚染などの影響と思われている方が多いことでしょう。
ですが、水がキレイな所で生息するホタルとそうでないホタルがいます。
水がキレイだからといってホタルがいるわけでもありません。
どのような水質環境でホタルは生息できるのでしょうか?
ホタルは水がキレイじゃないと生きられない?
ホタルは大変繊細な昆虫でキレイな環境でないと生きられないとよく聞きますが、ホタルの種類によっては陸で育つものもいたり、沼などに生息しているホタルもいます。
本当にキレイな水でしか生きられないのか見てみましょう。
ホタルの生息する水のイオン濃度
ゲンジボタルは綺麗な小川で生息し、水がゆるやかに流れている所に生息しています。
イオン濃度が大体pH6.5〜8.0程度で中性〜弱アルカリ性です。
ヘイケボタルは沼や水田に生息していてイオン濃度がpH5.1の強酸性の中でも生息が発見されています。
ホタルは強アルカリ性の水では生きられない
気温が高くなったりするとプランクトンなどの光合成が進みアルカリ性濃度が非常に高まってしまい、ホタルが生息できない状況になってしまいます。
そのため、温度が急上昇すると水温だけでなく水質も変化してホタルが生きれない状況を作ってしまう可能性はあります。
餌にも影響する
ゲンジホタルは水が流れている所に生息しますが、流れが強すぎる所には分布していません。
これは餌となるカワニナが冷たい水や流れの強い場所では生息が難しいため、餌のある緩やかな水流のある所でキレイな水の所でしか生きれません。
また、ザリガニなどがいる水田や沼などに生息できる強いヘイケボタルでも毒性のある農薬がまかれている水質では生息できません。
そもそも餌となる巻貝類も生息が困難です。
まとめ
ホタルは涼しい所で生息できる昆虫です。
最近では水が綺麗じゃなくなったからと言われていますが、水質に関係のない種類も減ってきているのが現状です。
おそらく温暖化などで気温が上がってしまったことも、暑い所で生息できないホタルにとって辛い状況を作り減ってきている要因の一つだと思います。
また、ホタルだけでなく水質汚染によりホタルの餌となる生物も減少してしまうこともあげられます。
ホタルは様々な条件が重なって観られるからこそプレミア感がありますね。