夏の虫と呼ばれている蛍ですが、実は飛び回るのは夏だけではないのです。
といっても夏以外に飛ぶ蛍は、季節と時間を知っていないと観測することは難しいです。
また、蛍がチカチカと光を発しているのには理由があるのをご存知でしょうか。
種類によって光を発する間隔が違います。
よくよく観察してみましょう。
日本に生息している蛍
主によく目にするのが、日本固有のゲンジボタルです。
大きさはオスが14ミリ前後でメスが7.5ミリ前後です。
5月下旬~7月に飛び回ります。
そして、日本で最も小さい蛍はオスが5.5ミリでメスが5ミリの沖縄側に生息しているヤエヤマボタルです。
この蛍のメスはハネが退化しており飛べない種類です。
容姿はオスとは全く違う姿をしています。
ハネのない蛍は多く存在し、逆に日本で退化していない種類は約50種類のうち約14種類しかいません。
蛍の生態
蛍には、幼虫の時期を水の中で過ごす水生ホタルと陸の上で過ごす陸生ホタルの2種類に分けられています。
ゲンジボタルは水生ホタルで、ヤエヤマボタルは陸生ホタルです。
陸生ホタルのほとんどは飛べず光りません。
陸生ホタルで最も奇妙な蛍が1984年に発見されたイリオモテボタルです。
オスは蛍らしい姿をしているのですが光らないのです。
メスは成虫ですが幼虫と同じ姿をしており、オスを呼ぶために1日に15分~30分間強い光を発します。
そして、一般の蛍の4倍にあたる45日間も生き続けるのです。
蛍の生息できる場所
蛍は決まった条件の場所でしか生息できません。
突然観測を決めて、蛍を見に行くと失敗してしまうので、きちんと準備をしていきましょう。
蛍は湿気の多い場所を好むので、雨上がりの夜がいいです。
そして月明りはもちろん人工的なあかりも無い、蛍たちが飛び回ることのできる広い場所とハネを休ませる木々、きれいな水の流れる川と幼虫のえさとなるカワニナなどの巻貝の生息する場所が必要です。
蛍たちの信号
蛍が光るのは、オスとメスが出会うための信号です。
蛍が光を放って飛び回っているのは、実はほとんどがオスです。
メスは木々や草の葉の上にとまって弱く光っています。
オスがメスの近くで決まった間隔の光を放つとメスはその光に返すように2秒ほど遅れてから光るのが確認されていて、蛍の種類によってその信号の間隔も違うようです。
蛍たちが飛ぶ時間は3度に分けられていて、1度目の20時~21時の時間帯が多くの蛍を観ることができます。
2度目が23時前後、3度目が2時前後です。
時間が遅くなるにつれて蛍は木で休むようになり、飛んでいる蛍は少ないです。
まとめ
今回は、蛍の光る時間と間隔をまとめました。
夏によく観測しに行く蛍には、このような理由があったのです。
世界には約2000種類もいるのですから、きっともっと不思議な蛍いるのでしょう。
保護活動で増えていく蛍によって、研究ももっと進んでいくことを期待したいですね。